さよなら、狼さん

雑記とサドンフィクションのブログ 終りの始まりに

少年と少女のセックスはどこか哀しい

去年、私は性機能を失った。まず勃たなくなり、そのうち性欲そのものもわかなくなった。

友人にこれで女性と付き合うのも終わりだなというと、友人にちゃんと病院には行ったのですかと聞かれる。

私が性機能を失ったのは加齢のためだろうというと友人は加齢にしても早すぎると言われる。


そして今、中年にさしかかり性機能を失って見て思うのだ。

少年と少女のセックスはどこか哀しいと。

 

学生時代、私にはセフレがいた。学校の帰り道、誘われて彼女の部屋に行き、彼女の部屋でセックスした。


セックスが終わった後、彼女はいうのだ。

「私たち付き合ったりとかしないで、これだけしてようね」と。

まだ、10代、セックスの相手に飢えていた私には悪くない話だった。

 

生殖を目的にしない、純粋に楽しみのためのカジュアルセックス。

単なるひとつの娯楽としてのセックス、暇つぶしの手段としてのセックス。お互いがお互いを親しいと確認する手段としてのセックス。

 

今、痛切に思うのだ。少年と少女のカジュアルセックスはどこか哀しいと。

もう二度とあの彼女と会うことはないだろう。会ったとしてもインポテンツになった私は彼女とセックスはできない。もう二度と彼女の身体をまさぐることはないのだ。


20年前、彼女の部屋で身体を求め会った私たちはもうどこにもなく、ただ私の記憶の中にしかないのだ。

そしてインポテンツになった私はかつての少年時代のセックスがどこか哀しいと思うのだ。